せせらぎ

今夜は親が留守。
作り置きしてもらったご飯を食べ終え、いつもより夜更かし。
嫌がる兄貴を説得して「夜トイレに行かれなくなるからダメよ」と言われているホラームービーを観る。
画面に恐怖画像が映し出される度、兄貴は体をこわばらせ、必死で耐えている。
それが面白くて、映画を見ながら兄貴の様子を盗み見して、二人でトイレに行き、それぞれの部屋で寝た。
居間は散らかったままだけど起きてから片付ければいいや。
ミキヤはベッドに入るなり、すぐに眠ってしまった。

ふと、物音で目を覚ます。
兄貴がトイレに起きたらしい。
慌ただしく駆け込む音。
乱暴に閉まる扉。
そして水音。


映画を見てる時の兄貴、可愛かったなあ・・・・・・
目に涙なんか浮かべちゃって。
ミキヤは思い出し、ニヤニヤしながら寝返りを打った。
トイレからは水音が聞こえて来る・・・・・・・
そのまま、また眠りの世界へ・・・・・


次に目を覚ました時、ミキヤの耳にはまだ水音が聞こえていた。
なんだか気持ちが良い。
そう思っていたミキヤだが・・・・・


お尻が段々重たくなってくる。
「?」
しかも、今度は冷たくなって来た。
「?!」
嘘だ!
ミキヤは恐怖で目を覚まし、飛び起きた。
お尻もシーツもマットレスもびしょびしょだ。
そんな馬鹿な。
ミキヤはうろたえ、目に涙を浮かべた。
まるでホラー映画を見ている時の兄貴のように。


半乾きで、しかも異臭を解き放つマットレス。
ビデオデッキから抜き忘れたホラー映画のビデオ。
鬼の形相の母親。
「だから言ったのに!」
正座をするミキヤは違うとも言えず、うなだれるしかない。
シーツと濡れたパジャマは兄貴にもバレないように処理できたがマットレスと敷布団だけはどうにも出来ず、そのままにしていたのを昼前に帰宅し、布団だけでも干そうとした母親に見つかってしまったのだ。
それだけでも母親は随分とおかんむりだったが、早朝からおねしょの処理に追われ、トイレに行かれなかったミキヤが正座の最中におもらしまでしてしまったため、その怒りはピークに達し、ミキヤは濡れたズボンのまま、洗った布団やマットレスとともにしばらくベランダに出されてしまった。
その様子を何度も兄貴に見られ、ミキヤはただひたすらにいたたまれない思いをするしかなかった。
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