廊下でモジモジ

どうしよう・・・・・
冷たい床の上。
わずかに尻を揺さぶりながら彼は眉間にしわを寄せ思案する。
正座を崩さないようにしつつも徐々に訪れる尿意に耐えていたが、もう時期限界を迎えそうだ。
思春期真っ盛りの彼は犯罪行為には走らないものの、何かと反抗的だった。
おおらかで過保護なところのある養父はそんな彼に腹を立てたりもせず、この時期というものはそうなんだと笑って見逃してくれていたが、それでも許されないことはある。
その一線を越えてしまってはさすがに養父も笑っては許してくれず、厳しい罵倒ののち、廊下に出され、正座を言い渡された。
自分が悪いことは重々承知、しかも何をしても償えないことをやらかしてしまった自覚はある。
説教で済むならむしろありがたいくらい。
出て行けと言われても文句は言えないくらいのことだ。
情けない気持ちと後悔の念と、初めての養父の強い怒りに心が弱っている彼には、この迫り来る尿意は恐怖だった。
乗り越えられる自信も無い。
しかし、中座させてくれとは言えない。
だからと言ってもしここで漏らしてしまったら・・・・・・・

養父はどんなに怒り狂うか。
今度こそ家を出て行けと言われてしまうかもしれない。

その恐怖で知らず涙が溢れる。

今までぐっとこらえて来た涙なのに。
「お前が悪いんだろう」
と言われたくなくて頑張ったのに。
視界があっという間に霞む。
「う・・・・・・・」
彼はそっと鼻をすすった。
尻たぶがほんわかしてくる。
その温もりは徐々に尻を覆い、床についた足を伝い広がる。


(・・・・・・ダメだった・・・・・・)

かと言って立ち上がることも出来ない。
しくしく泣いていると、様子を見に来たであろう、養父の足音が近づいてくるのが判り体が硬直する。
意識は真っ暗になりそうだ。
心臓は早鐘を打ち、自然、顔が下を向く。
とてもじゃないが顔など見れない。
「おい、なんだこりゃ」
驚いた声に、肩がビクッと上がり、その弾みで残っていたおしっこが飛び出し、堰を切ったかのようにキツく閉じられた股間の間から隠しようのない音を立てて水たまりを広げていった。
頬が熱くなり、それでいて血の気が引く。
止めたくても止まらないこの失禁。
彼は自分がパニックに陥るのが判った。
予想できる最悪の事態がフラッシュバックのように脳内を駆け巡る。
出来るなら大声で叫び、すべてをなかったことにしたい。
だが、そんなことは叶わない。
膝の上に乗せた拳をキツく握りしめ、その間も流れゆく己の排泄物を眺めるだけだ。


どれくらいの時間が経ったかは判らない。
成すすべもなく再びすすり泣き始めた時、ふわりとしたものが視界を遮った。
それが大きめのバスタオルだと判った時には養父にタオルごと抱きかかえられていた。
養父は彼を風呂場まで運ぶと、汚れた服を洗い、言葉もなく体を洗い終えた彼の体を拭き、寝室まで連れて行くと、どうして言わなかったんだ?と言いながら彼が眠りにつくまで見ていた。


「・・・・・・・どうしよう・・・・・」

翌朝、目を覚ました彼には新しい困惑が訪れていた。
シーツにはホカホカと湯気を上げる水たまり。
パジャマのズボンは内股からお尻がびしょびしょ。
動くたびにペッタリと体に張り付く。
昨日の今日なのに・・・・・・

目頭が熱くなる。


あまりにも起きてくるのが遅い彼を心配して様子を見に、部屋に入った養父が見たものは、ベッドの上に正座をし、自分の作った水たまりの前でしょんぼりとうなだれる養子の姿だった。

養父はその日以降、激怒することはなかったが養子が少しでも悪いことをしようとすると、お前は叱ると漏らすからなあと言って笑い、彼を恥ずかしさでいっぱいにするのだった。

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